当然ながら、新型コロナウイルス感染症 (病名はCOVID-19) の確定診断には新型コロナウイルス (ウイルス名はSARS-CoV-2) の存在を証明することが必要です。
現在はウイルスの遺伝子を検出するRT-PCRが主流です。
そして、5月13日にウイルスのタンパクを検出する抗原検査が承認されました。
それぞれの短所を補うよう、上手に使い方を考えなくてはいけませんが、どちらの検査にも共通することは、検体採取時には医療者はしっかりと自らを防護しなくてはいけないことです。
鼻やノドから検体を取るとき、患者さんは咳やくしゃみをする可能性があるため、防護をしっかりと行わない場合、検体を採取した人は濃厚接触者となります。
たとえ患者さんが咳やくしゃみをしなくても、保健所からは濃厚接触者と判断されることには変わりありません。
ここで更に問題となるのは、新型コロナウイルス感染者は症状が出ていないことも多いことです。
つまり、溶連菌やインフルエンザなどを疑って検査して、後でその患者さんが実はコロナウイルスに感染していたことがわかれば
さぁ大変😱
ということになります。
全ての患者さんに対して、完全な防護服を着て診察することなど、開業医ではほぼ不可能です。
濃厚接触者となれば経過観察のため2週間の休業 (無収入) となり、喪が明けてもコロナウイルスの噂で患者さんがずーっと来なくなります。
このため、
小児科では、多くの開業医、そして病院でさえも溶連菌やインフルエンザなどの抗原検査は実施していないのが現状です。
今でこそ様々な病原体に対する抗原検査キットが発売されてはいますが、自分が小児科医になった頃は何もなく、そのときの診療に戻るだけという考えもあります。
それでも、検査という武器を持っておくことに越したことはありません。
ところで外国では、コロナウイルスのPCR検査を安全に行うために、患者さんと医療者が完全なしきりで隔てられた状態で検体を採取しているウォークスルー形式のところもあります。
それに習って、日本でも同様にウォークスルーで検査する施設もでてきました。
写真;SankeiBiz
https://www.sankeibiz.jp/econome/news/200424/ecb2004241045002-n1.htm
このシステム、別にコロナウイルスPCRじゃなくてインフルエンザや溶連菌検査のために使ってもいいわけです。
ということで、5月の連休中にケージを作ってみました。
(実は構想3ヶ月)
小さなこどもは検査するときに動くことも多いので、保護者が椅子に座りこどもを抱っこし、医療者に顔を向けてしっかりと抑えてもらいます。
でも、このときよく足を蹴り上げるので、ケージはそれに対応できるように下部前面の骨組みを引っ込めました。
完成したら、嬉しくて、このケージに愛着を感じてしまいました。
せっかくなので、名前をつけました。
グリグリくん です。
でも、出てる手袋、ちょっと芸がないと思ってしまいました。
ということで、
いろいろポーズをとってもらいました。
イェ~ィ!
届かねぇ~
ぜんぜん届かねぇ~
おしまい。