もちろん、抜釘手術をするということは、その前に骨折で手術をしていたということです。
あれは、2019年2月・・・
そのときは息子が小学校6年生でした。
通っているサッカークラブで6年生対その親の ”親子サッカー対決” がありました。
そして当日は長女の大学受験の日と重なっていました。
嫁さんは、
アキレス腱を切るから絶対出るな!
と言い残し、長女と県外に行っていました。
でも、そんなことを心配して不参加なら一生後悔する、と思い当然のごとく参加したのでした。
実力は県内で1番のチームでも所詮小学生。
こちとら中学のときは体育5だったし、そんなに簡単に負けるわけないと思っていました。
実際には、親父チームは、そんなに簡単に・・・ やられっぱなし。
こども達がボールを持ち、自分と1対1となったとき、目が合うと、ニヤッと笑いあっという間に抜き去っていく。
ムカつく~。
相手が油断しているとき、
これなら取れる
と思いスライディング。
ボールではなく地球に激突。
ミシッ ミシッ と鈍い音。
やっちゃった。
左足首の骨2本折っちゃいました。
そして、そのまま救急車で病院へ・・・
レントゲンで左脛骨と腓骨の遠位端骨折と診断、手術となったわけです。
(ちなみに、アキレス腱は切ってません 😉 )
手術は腰椎麻酔で行いました。
腰椎麻酔とは、背骨の隙間から麻酔薬を注入し下半身の麻酔をするものです。
麻酔穿刺もスムーズに行き、麻酔・手術 (プレートで固定) 共に問題なく手術終了となりました。
ただ、悪夢はそれからでした。
手術後、嘔吐が止まりません。
麻酔薬自体の副反応だと考えます。
プリンペランも効かず、その夜はもちろん一睡も出来ませんでした。
翌日になり少し楽になってきたので体を起こしてみましたが、そうすると頭痛がしてまた嘔吐をきたすようになりました。
そして、ベッドに横になると楽になるのでした。
麻酔薬の作用は既になくなっているはずなのに何故?
と寝ながらネットで検索。
どうやら硬膜穿刺後頭痛 (PDPH) だとの結論に達しました。
これは、脊椎麻酔で硬膜を刺した穴が塞がらず、頭を上げるとそこから髄液が漏れ出るため、頭痛・嘔吐をきたすものです。
以下は医師もよく参考にするUpToDateから
・腰椎穿刺全体の10~30%に発生する最も頻度の高い合併症
・硬膜穿刺後6~72時間後に発症
・殆どは7~10日で回復する
・リスクファクターは、女性、頭痛の既往、20~40歳
また、日本医事新報社のサイトでは、坐位もしくは立位をとると15分以内に増悪し、臥位をとると15分以内に軽快するとありました。
入院中は整形外科の先生が当番を決めて回診するのですが、そのなかには硬膜穿刺後頭痛というものを知らないドクターもいました。
これには正直驚いたのですが、手術そのものしか興味ない医者もいるのでしょう。
唯一の慰めは、自分は実年齢よりも10歳以上若いと UpToDate が言ってくれたことでした。
硬膜穿刺後頭痛(PDPH)の治療法としては、まずは保存的治療になります。
安静臥床、鎮痛剤、カフェイン、漢方薬などがあります。
それでも症状が7~10日よりも続くときはブラッドパッチ(自己血を入れて糊付けする)を考えることになります。
幸いと言うか何と言うか、
自分の場合、つらい頭痛は1週間続きましたが、その後は治ってくれ退院することが出来ました。
つづく