サッカーは個人競技だ

唐突だが、中学1年生の愚息は地元のクラブチームでサッカーをしている。

実はナショトレにも選ばれていないのだが、まだ本気で将来はプロになろうと思っており、ほぼ毎日一生懸命練習をしている。

昭和生まれの私は、

東大に入るよりもJリーガーになる方が難しいって言われてるんだぜ。

この情熱と時間を勉強に傾けてくれたら将来の安定した生活に役立つのになぁ。

     などど思ったりする。
 

ただ、自分が中学生の頃はどうだったかというと、勉強は学校で与えられた宿題をするだけ、部活は普通に遊び感覚でやるだけ、そして、夜は8時か9時に寝てしまうという生活だった。

あと、夏休みが終わり学校が始まったのにも気づかず、担任から家に電話で呼び出しが来たっけなぁ。
(もちろん、1回だけだけど。)
 
最初に愚息と書いたが、自分自身と比較すれば立派な息子なのだ。

そしてその立派な息子が夢に向かってがんばっていることに、親としては一生懸命応援しているのである。

・・・ もっとも、本人には立派な息子と言うとつけあがるので、ほどほどの息子と言っている ・・・

 

そのほどほどの息子が、インターネットから “サッカーの家庭教師” を見つけて習ってみたいと言ってきた。

このサッカーコーチのY氏はYouTubeなどにも多く動画を載せており、サッカーの個人授業では有名なひとなのだそうだ。

高い授業料を払ってわざわざ関東まで行く価値があるのかわからなかったが、ほどほどの息子のために作り笑顔で快く送り出してやった。
(予算の関係で1日コース)

 

個人授業を受けてきた息子は、楽しそうに話しをしてくれた。

” Yさんは動画では葉加瀬太郎に似てると思ったけど、会ってみたら笑った顔がロバート秋山にそっくりだったよ。”

これだけで、中一男子のハートをつかむのにはバッチリだったようだ。

息子に同行した妻が、” Yさんは悪いことばっかり教えてくれちゃって ・・・ “ と苦笑い。

何を教えてもらったと息子に聞くと

” まず、サッカーは団体競技じゃなくて個人競技だ。” と初っ端に言われたそうだ。

選手は、いかにチームの中で自分がのし上がるかを最重要に考え、強いチーム程 お互いの仲が悪い。

味方が自分にパスを出したとき、ちゃんとしたところに来なければ下手くそとアピールする。

自分が味方にパスするときは、上手くパスを受けられないようなパスをする。
ただそのときはコースが悪いと下手くそと言われるので、キチッとしたコースを強い球で蹴るのだ。

監督の言うことはあまり聴かなくていい。
監督が常に正しいことを言っているとは限らないので、自分が正しいと思うことだけを聴いていればいい。
監督は1-2年で代わるものだから。

 
更に、試合でいかに相手を騙すか などの手ほどきを受けたようだ。

 
今までの息子の持っていたサッカーの概念を打ち破る話が非常に楽しかったようだった。
 
お利口さんでなく、少し悪童になってくれると人間性にも更に魅力が出るんだろうなぁ。

 

競争の激しいスポーツの世界はもちろんだが、一般の会社や総合病院内でも出世競争はあり、神経をすり減らされる。

もっとも、私は勤務医時代でも出世コースに乗っていたわけではなかったが、それでも開業してからはその呪縛から逃れることが出来た気がする。

皆で手をあわせるこんな小さなクリニックではスタッフも出世することがないから、当然出世したいという野心を持つようなスタッフなどいない。

つまり、今のクリニックは患者さんに喜ばれるよう、純粋に団体競技で仕事をしている。

意味不明だけど、ちょっと自慢。

 

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